岡口基一著 「ゼロからマスターする要件事実 」を読み続けて感じること。 

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春日井市在住です。
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私、はらだよしひろが、個人的に思ったことを綴った日記です。社会問題・政治問題にも首を突っ込みますが、日常で思ったことも、書いていきたいと思います。

なぜ、「要件事実」の本を読もうと思ったのか。

最近、この本を読んでいます。岡口基一著 「ゼロからマスターする要件事実 ――基礎から学び実践を理解する」です。

なぜ、この本を読み続けているかというと、法律の構造、法の実務的な考え方、それを、私たちがどう日常生活の中で活かせばよいのか、それを分かりやすく知りたいと思ったからです。

・・・・実際に読んでみて、私が今まで、パワハラの相談・対応を通じて身に着けてきた『法を、具体的に活かすための証拠のつくり方。』の正しさを裏付けるような内容だと感じました。

トラブルが発生し、どうあがいても、相手にぐうの音も出させないためには、法的に自分が正しい状況を創り出していくことが有益なのです。

そのためには、法というルールに、個別の具体的な事象をのせて主張していくことが、より効果的になることも、実感してきました。

特に、裁判となってくると、法が求める要件に沿って、(裁判提起前に)主張をし続けたかで、勝敗が決まることを痛切に感じてきました。

日常生活において、法の要件に沿って、主張し続け、形(※いわば証拠)として残してきたものが、結局のところ、訴訟においても有利になってくるのを実感してきたのです。

それを確信したのは、同じ著者の「要件事実マニュアル」を図書館で読んだ時でした。

私は、この本を読んだときにこう思いました。
「法は、現実に起こったことを形として残して、方程式(※要件)に当てはめればいいんだ~」

法律の専門家からすると、こういう表現では「要件事実を理解してない!」ということになるかもしれませんが、私には、この表現が要件事実を納得して受け入れるのに、ぴったりなのです。

感想:要件事実の基本的な捉え方がわかる「誰でも興味持って読める教科書」

では、この本を読んで、どう感じたか。

それは・・・・

要件事実という法律の方程式の立て方を、大人なら誰でも興味をもって、分かりやすく、且つ実務的にも役立つ形で著した本

となるでしょう。現実、私たちの生活は、ありとあらゆる法律と関わっています。働いているなら、労働基準法が関わってきますし、部屋を借りているなら、民法はじめ不動産関連の法律が関わってきます。そのなかで法的トラブルに巻き込まれることもあるでしょう。

もし、自分が法的トラブルに巻き込まれた時に、要件事実が使えたら・・・・・・リスクを最小限に留めることが可能です。そのための分かりやすい法の捉え方の教科書とも言うべき本だと思うのです。

教科書ですから、基本に立ち返ってみる必要がある時には、繰り返し読む価値のある本です。
ですから、私はこの本は「読み続ける本」だと思うのです。

この本で、一番印象にのこった文章が最後の方にあった。

この本のなかで、一番印象に残る一文が最後のほうにあったので、紹介します。

 司法研修所の「民事裁判」科目における要件事実教育の復活が、法曹の主張整理能力を取り戻すための唯一の方法ということができます。
 そして、それは、決して法曹のためだけではありません。法曹は自らの職域さえ確保していれば、その中で利潤の追求をできます。法曹のレベルの維持は、むしろ、良質な民事裁判を受けるという国民の人権を守るために行うべきものなのです。

岡口基一著 「ゼロからマスターする要件事実 」 263ページ

今は、司法修習における要件事実教育が行われていません。そのために裁判の劣化が言われています。
要件事実教育と、裁判のレベルの詳細は、この本を実際に読んでいただきたいのですが、要件事実が実務の場でより鍛錬され、且つ、一般市民も要件事実について知る機会があれば、ひとりひとりの法的マインドレベルが上がり、司法も人権を守る良質な民事裁判を行えるはずです。

以前は、司法修習時のみに、閉鎖的に要件事実教育が行われてきました。それはそれで法曹のレベルを維持してきた要因ともなってきました。
しかし、よりよい司法となるためには、司法修習の場で要件事実教育が行われ、かつ、一般市民が要件事実について学び、実践する場が増えていけば、より、日本の司法の質も上がってくるのだと思います。

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