【春日井PFAS訴訟】控訴答弁書が来て、控訴人第2準備書面を提出しました。
私、はらだよしひろが、個人的に思ったことを綴った日記です。社会問題・政治問題にも首を突っ込みますが、日常で思ったことも、書いていきたいと思います。
控訴答弁書が春日井市側から来ました。
私は、春日井PFAS訴訟で、原判決を不服として、名古屋高等裁判所に控訴し、控訴理由書と、それを補充する控訴人第1準備書面も提出しました。
これに対する、控訴答弁書が春日井市側から、来て、それに対し、私は控訴第2準備書面を出しましたので、開設いたします。
控訴答弁書の概要。
被控訴人(春日井市長)側は、原判決の維持=控訴棄却を求める。
被控訴人(春日井市長)側は、原判決の維持=控訴棄却を求める。骨子は
①PFOS/PFOA対策と情報公開は適法・適切、
②本件住民訴訟の対象は「本件別契約の締結・履行」という財務会計行為に限られ、公表の有無や議会答弁は対象外、
③別契約方式は裁量の範囲内で法令適合、
④「当該職員」該当性は市長または専決権者(経営課長)に限られ、4名職員は含まれない
――の四点である。
事実関係に対して
まず事実関係。令和5年7月末に水源ポンプ故障が発生し、8/1に配水操作を変更した「計画外の検査」を実施。これは法定の水質基準検査でも市の定期検査計画でもなく、公表が予定された性質の検査ではない。もっとも、春日井市は給水栓・水源とも定期検査を継続し、暫定目標値を踏まえた水質管理を実施、定期検査結果は公表し、開示請求には条例に基づき応答してきたとする。
法的論点
法的論点①(訴訟の対象と憲法論)。住民訴訟は財務会計行為に限定され、本件は「当初契約の変更によらず別契約を締結し支出したこと」に絞られる。したがって、8/1結果の公表や市長答弁の適否、ひいては憲法上の知る権利・25条違反などは判断対象外であり、原判決は回避ではなく「不適切な争点排除」を行ったにすぎないとする。
法的論点②(別契約の適法性)。当初契約は入札の結果であり、後日の契約変更は公平性を損なうおそれがあるため、追加検査を別契約で手当てする判断は合理的裁量内。代金は22万4400円で、市契約規則により50万円以下は契約書省略が可能。受託者は当初契約と同等要件を満たし、通知法に沿った手順・妥当性評価・バックデータ提出・現地確認で品質は担保されている。PFOS/PFOAは当時「水質基準項目」ではなく、法定検査条項(契約条項記載義務を含む)は適用外。よって水道法・施行令・施行規則違反は成立しない。さらに、改正法施行後(令和8年4月)を前提にしても本件対応は問題を生じないと付言する。
法的論点③(「当該職員」)。財務会計行為の本来的権限は市長にあり、春日井市の専決規程上、3000万円以下の契約は上下水道経営課長が専決。4名(所長・補佐・主査等)は決裁権・専決権・企業出納員指定を有せず、委任・代理もない。よって「当該職員」に該当しない。訴訟要件たる該当性は裁判所が職権で判断でき、仮に委任等の存在をいうなら主張立証責任は控訴人にあると位置づける。
春日井市側の反論の整理
反論の整理。控訴人の「弁論主義違反」主張は失当で、原判決は要件事実に即した適法な審理を尽くしている。公表・議会答弁の評価は本件の射程外で、仮に検討しても、8/1検査は計画外・法定外で公表義務はない。市は給水栓での定期検査を適正に実施・公表しており、市民の健康保護は運転管理(取水制限・県水増配等)で確保されている。
結論として、①別契約・支出に違法なし、②4名への請求は不適法、③市長の指揮監督義務違反も成立しない――以上から、原判決は相当で控訴は棄却、費用は控訴人負担とする判決を求める、というのが答弁書の要旨である。
控訴答弁書の問題点(春日井市側の答弁の問題点)
春日井市側は本件住民訴訟の対象を「別契約の締結・履行」に限定し、公表問題や議会答弁を切り離しますが、8/1検査の非公表は当該別契約の必要性・内容決定、支出の相当性に直結する「履行過程の適否」であり、財務会計行為と無関係とはいえません。
次に「当該職員」否定は、専決権者=課長のみを形式的に特定する一方、地方自治法153条の委任・代理(事実上の決裁補助・判断関与)を一切検討せず、証拠上の関与事実の評価を欠いています。また「入札の公平性」ゆえ変更不可とする抗弁は抽象的で、変更手続を選ばなかった合理性(理由記録・比較検討)の主張立証が乏しい。PFASが当時「基準」外でも、水質管理目標・市検査計画の遵守は裁量統制の重要な判断資料であり、「契約書省略=品質担保不要」にはなりません。さらに、弁論主義・要件事実論を盾に原告へ過度に立証転嫁しており、内部規程運用・権限付与の具体事情は被控訴人側の説明責任が重い点も看過しています。
控訴答弁書
実際の控訴答弁書は以下になります。


















控訴人第2準備書面を提出しました。(控訴答弁書に対して)
この控訴答弁書に対し、さらに主張を補強するために、控訴人第2準備書面を提出いたしました。
控訴人第2準備書面の概要
1. 序論(本件の射程)
- 住民訴訟として、PFAS(PFOS/PFOA)をめぐる検査・契約・公表の一体的違法を問う。
- 争点は契約形式の適否にとどまらず、自己拘束の破り/情報統治の失敗/基本権侵害に及ぶ。
- 結論枠:8/1不公表→別契約→8/21再検→8/21のみ公表は一体の判断過程であり、裁量統制・憲法・財務各面で違法。
2. 事案骨格(時系列)
- 7/28 ポンプ故障 → 8/1 異常運転下で採水・検査 → 8/7 超過把握。
- 8/8 庁内協議(通常復帰後データを前面化する方針形成)。
- 8/18 当初契約の変更ではなく別契約締結、8/21 再検、以後8/1は非公表のまま。
- 9月議会:「引き続き公表」との答弁で完全公表の印象を付与。
3. 法律構成(審理枠組み)
- 住民訴訟の対象性:別契約の締結・履行を軸に、これと不可分な不公表・選別的公表を一体として審査。
- 裁量統制:自己拘束、関連考慮事項、目的適合、比例原則。
- 憲法審査:21条(知る権利)・25条(健康を含む生存権)・99条(尊重擁護義務)。
- 損害論:違法支出+信頼失墜等の財政的帰結。
4. 行政裁量の逸脱・濫用
- 自己拘束違反:市の水質検査計画は「検査計画・検査結果は公表しています」と宣言。異常時こそ公表原則が最も強く作動すべきなのに、8/1を「計画外」で外し、後行のみ掲載。
- 関連考慮の欠落:健康リスク、異常時データの公益性、履歴の連続性、注意喚起の必要性を軽視。
- 目的逸脱:安全確保・説明の制度が**自己防衛の“見栄え調整”**へ転化。
- 比例原則違反:併記・注記等の穏当な手段を採らず全面不公表を選択。
5. 憲法論(逐条)
- 21条:生命・健康直結情報へのアクセスは中核。8/1非公表+8/21のみ掲示は選別・誤導による権利侵害。緩やかな手段可能性からも過剰制約。
- 25条:住民の回避・対策の選択機会を奪い、健康権を実質侵害。
- 99条:計画の公表原則を最必要場面で作動させず、議会で「引き続き公表」と誤導したことは尊重擁護義務違反。
6. 議会制民主主義との関係
- 重要情報の不可視化は議会の監視を骨抜きにし、住民の討議・意思形成を誤った前提に誘導。説明責任の重大違反。
7. 原判決の手続的瑕疵
- 争点を**「当該職員」に過度集中し、本質の一体過程の違法**を回避。
- 「財務会計行為ではない」として憲法審査を切断=実質的な憲法判断回避。
8. 財務会計行為性と一体不可分論
- 検査委託の**成果物(数値)**は公表工程まで含んで初めて公共的効用を発揮。
- 別契約は不公表→後行のみ公表を支える手続的装置として機能。
- さらに別契約自体も、①契約内容の不備、②二重契約による不合理、③目的逸脱、④公序良俗・信義則、⑤地方財政法4条違反の観点から独立に違法。
9. 「当該職員」整理
- 専決押印のみで責任を限定できず、判断形成・遂行の実質関与者も評価対象。補助機関の実体に即すべき。
10. 損害論
- 違法な判断過程に基づく別契約費は返還対象。加えて信頼回復・監視・危機管理の追加コストは財務的損害。
11. 被控訴人答弁書への要点反論
- 「計画外で公表不要」→計画文言は限定なし、異常時ほど公益大。
- 「給水栓が基準内なら足りる」→PFASは蓄積性、上流異常は即時周知が必要。
- 「形式適法」→過程全体で評価すれば別契約は選別公表の補助線。
- 「公表は行動判断用ではない」→情報は住民の自己決定の素材。
- 「憲法判断不要」→不可分連鎖ゆえ回避不可。
12. 求める判断
- 原判決取消。
- 一体過程としての裁量逸脱・憲法違反の認定。
- 公金返還(必要なら差戻しで額査定)。
13 控訴答弁書の何に反論し、どのように主張を補強したか
被控訴人の①「切断論」(別契約=財務、公表=対象外)に対し、検査委託―支出―結果取得―住民提示は一体の判断過程であり、財務適否は運用(不公表・選別公表)と不可分で審査すべきと反論。②「計画外で公表不要」「給水栓が基準内なら足りる」には、自己拘束(検査=公表)、PFASの蓄積性、異常時データの公益優越を根拠に反駁。③「形式適法(別契約)」には、目的逸脱・関連考慮欠落・比例違反を示し、さらに契約内容不備・二重契約の不合理・地財法4条違反・民法90・1条2項で独立違法を補強。④「専決者のみ当該職員」には、実質関与基準で当該職員性を主張。⑤「憲法判断不要」には、21・25・99条が財務と運用の連鎖に直接かかる以上、回避は許されないと指摘。以上を甲1証拠書24・25・35、甲2等の証拠で裏づけ、主張を総合補強した。
控訴人第2準備書面
実際の控訴人第2準備書面は以下になります。
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私、原田芳裕は、様々な方と繋がりたいと思っています。もし、私と繋がりたいという方は、是非、下のメールフォームから、ご連絡ください。ご相談事でも構いません。お待ちしております。