地方自治を「民主主義の学校」と呼ぶことについて。
民主主義とは、「ひとりひとりが、政治の意思決定に参加できること」だと私は考えます。地方自治は、民主主義の学校と呼ばれることがありますが、今回は、その民主主義の学校と呼ばれることについて。春日井市政に絡めて、私なりの考えを述べます。
目次
「住民」が直接、行政に関わっているからこそ、地方自治は民主主義の学校である。
誰もが行政に関わっている! ということが重要なポイントです。
その自治体に住んでいる人も、その自治体で働いている人も、大なり小なりその自治体の行政に関わっていることは間違いありません。地方自治体がしている仕事というのは、以下のものがあります。
地方自治体がしている仕事(例 春日井市の市民意識調査をもとに細分化)
- 防災・減災
- 救急・消防
- 防犯
- 交通安全
- 健康
- 医療
- 高齢者の生きがい
- 障害者福祉
- 高齢者支援
- 出産・育児
- 保育
- 子供の見守り
- 教育環境
- ひとり親家庭・虐待
- 学校教育
- 家庭・地域教育
- いじめ・不登校
- 町内会支援
- 住民相互
- 市民参加
- 多様性推進
- 多文化共生
- 市民参加
- 文化・伝統
- スポーツ振興
- 生涯学習
- 都市拠点整備
- 住環境
- 公共交通
- 生活環境
- 上水道
- 下水道
- 生活空間・緑化
- 産業振興
- 就業支援
- 地域振興
- 農業振興
- 地球環境(二酸化炭素排出量 実質ゼロ)
- 公害防止
- 自然環境
- ごみ減量
- 環境美化
- 情報提供
- デジタル
- 行財政運営
- 愛着・誇り
- 魅力発信
- 災害の不安解消
- 不便を感じない移動
- 生活道路
これだけでも、物凄く細かいところまで、行政の仕事というのは、私たちの生活に密着しています。つまり、あらゆるところで、私たちは自分たちの住んでいる街・働いている街の政治と繋がっているのです。
そして、その行政の在り方を最終的に決めるのは、地方議会であり、執行するのは首長(役所)なのです。
地方自治に直接かかわる機会は、「選挙」以外にもある。
実は、この視点を見逃しがちの方が多いのです。「選挙」は、市長や市議会議員を選ぶための直接の権利の行使です。行政に関わるケースというのは、これ以外にも多いのです。いくつか例を挙げましょう。
・町内会・・・・地域の防災・防犯に関わる。
・子供を公立の学校に行かせる・・・・教育委員会に関わる。
・医療・・・・・地域医療は、地元自治体と密接な関連がある。
行政サービスを良くしていくためには、生活の中で関わっていることに対し、行政の在り方に対して、「こうしてほしい!」と声を挙げて実現させていくことは可能なのです。
例えば、地域で署名活動を展開し、行政に声を挙げさせることも大事です。最近では、木更津で学校でのパワハラに対して、署名活動を行い、行政(国ですが・・・)が動いたという事例もあります。
この他に、議会に「請願」を出したり、様々な方法で住民や市民が行政に声を届ける方法はあるのです。
実は、選挙以外でも、行政に対して声を挙げて、それを実現させることができるということを知らない人が増えてきているのです。それが如実に表れているのが、投票率の推移です。
春日井市議会選挙の投票率の推移をグラフで示します。春日井市議会議員一般選挙|春日井市公式ホームページ (kasugai.lg.jp) より
前回の選挙が、投票率35.03%(平成31年)でした。 平成15年の時の投票率が、44.35%だったので、より一層、政治に関わることに無関心の層が増えてきたということです。
春日井市は、便利で安心な街になったと思います。しかし、政治=街づくりに関わることに興味が無い人々が増えてきている現状から言うと、とても危機的であるとも言えます。
地方自治は、確かに「民主主義の学校」である。もろに市民の意識が将来を決める。
行政サービスの劣化は、投票率の低下に関わってきます。日本の国力の衰退も、投票率の低下と比例しているのです。そういった意味では、この春日井市議会の投票率低下も、春日井の未来を暗示しているものともいえるのです。
自分たちが自分たちの住む街を「ただある」「あって当たり前」のようになんとなく感じていることこそ、危険です。そこには、自分たちが未来がないことを暗示しているのです。