春日井市はPFASの水質調査で、国の暫定基準値を超えた結果を、公表していない事実を発見。【情報開示請求を通して】
私、はらだよしひろが、個人的に思ったことを綴った日記です。社会問題・政治問題にも首を突っ込みますが、日常で思ったことも、書いていきたいと思います。
目次
プロローグ PFASの調査をしようとしたキッカケ。
私は、とあるキッカケから、春日井市の水道水中の有機フッ素化合物=PFASの問題に興味を持ち、調査をはじめました。
実際には、情報開示請求を繰り返しながら、実態を掴んでいくということを、今までやってきました。
春日井市が、PFASについて、国の暫定基準値を超えていても、公開しなかった事実があることが判明。
春日井市は、令和3年度から、水道水の原水・浄水について、PFASの中のペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びペルフルオロオクタン酸(PFOA)の調査結果をホームページ上で公開しています。
本市の水道水における有機フッ素化合物(PFAS)について|春日井市公式ホームページ (kasugai.lg.jp)
これから見てもわかるように、春日井市の一部の水道原水において、国の暫定基準値を超えていたのを、発表しています。最近の調査でも、超えたものをキチンと出していますね。
しかし、実は、私が情報開示請求を繰り返した結果・・・・・春日井市は国の暫定基準値を超えていたにも関わらず、それを公表しなかったことがあるという問題が判明したのです。
その日時は、令和5年8月です。春日井市が公表している数字では、町屋第3水源⇒32mg/ℓ 町屋第6水源⇒47mg/ℓ となっていますが、実はこれは採水し直して(8月21日採水)再検査した結果であり、 その前の検査結果(8月1日採水)では、町屋第3水源⇒60mg/ℓ 町屋第6水源⇒56mg/ℓ という国の暫定目標値=50mg/ℓを超えた結果が出ていたことが分かったのです。
それをレポートとして、まとめていましたので、公表します。
レポートは、👆からダウンロードもできます。
【レポートの解説】 愛知県春日井市、水道水における有機フッ素化合物PFASの検査結果の公表についての問題
それでは、レポートの内容を実際のレポートを見ながら、説明いたします。
このレポートは、まず、問題点=結論の概要からはじめています。まさしく、水道水の水源となる地下水から、国が定めた暫定目標値を超えた値が出ていたにもかかわらず、春日井市がこれを市民に公表していない事実があるという結論からはじめています。
※ここにPFASの説明が1枚あるのですが、ここは割愛します。
ここから、どういう方法・手段で、水道水の水源となる地下水から、国が定めた暫定目標値を超えた値が出ていたにもかかわらず、春日井市がこれを市民に公表していない事実 を示す根拠を入手していったのか、という説明に入ります。
私の場合、春日井市情報公開条例に基づく、情報開示請求=公文書開示請求(※このレポートでは、両方の用語を使っています。ほぼ同義語です。)を利用しました。
まず、はじめに、私が情報開示請求をしようと思ったきっかけを説明しています。。春日井市のHP上にあるPFASの調査結果を見たときに、何か違和感を感じたのです。確かに、国の暫定目標値越えを公表はしているが・・・・率直に言えば、「何か、隠しているものがある!」と直感したのです。その疑問点についても、このHP上でまとめています。↓
この公文書開示請求は、「春日井市 水道水質計画」にあるPFASに関する記載を元に作成しました。
基本的に、行政は「法令を執行するところ」なので、春日井市がPFASの調査を行うのも、根拠となる法令が無ければいけません。ですから、その根拠となる法令を探したところ、春日井市水道水質計画にその記載がありました。
7 水質検査方法
水道水質検査計画 (kasugai.lg.jp) 令和5年度春日井市水道水質検査計画 より
水質検査は基本的に自己検査を原則とし、表4に示す水質基準及び水質検査
方法等に関連した規定に基づき、配水管理事務所で実施します。
ただし、毎日検査項目の一部については、上水道施設運転業務委託業者へ水
質検査を委託することとし、検査等に必要なマニュアルの確認、教育訓練の実
施状況確認及び過年度の検査結果との比較等により、適正に検査が行われて
いることを確認します。
また、農薬類の一部、嫌気性芽胞菌、ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)
及びペルフルオロオクタン酸(PFOA)については、水道法第 20 条第 3 項に定め
る登録検査機関へ水質検査を委託することとし、検査結果の根拠資料(クロマ
トグラム、濃度計算書等)及び実施状況を記した書類の確認、立入調査等の実
施により、適正に検査が行われていることを確認します。
こういう法令を根拠として、確実に情報開示請求を行っていくのです。
確実な情報開示請求をするためには、根拠となる法令を探せ! そして、それを元に情報開示請求をしろ!
これが基本です。公文書の背景には、法令がある!ということなのです。
春日井市のPFASの調査も、この法令に依拠して行われているのですから、この文言を活用して公文書開示請求を行えば、より効果的に得たい情報が得られるのです。
そして、情報開示請求の結果ですね。ここから、開示された公文書の分析結果に入ります。
公文書開示請求の結果、公文書一部開示決定通知書が送られてきました。この、「一部」というのは、黒塗りにして非開示にする部分がある、ということですが、この場合、民間業者である検査機関の印影や個人名なので、微々たるものであり、影響はありません。
画像にして、開示決定通知書を載せたのは、根拠の信憑性を担保するためです。
まず、公文書の分析結果の結論から入ります。分析結果のまとめと言っても良いでしょう。
この公文書開示請求で明らかになった、一番の問題点を示しています。国の暫定目標値を超えた令和5年8月の検査結果を、春日井市が公表しなかった事実です。 しかも、同じ検査条件で国の暫定目標値を超えていたにも関わらず、きちんと公表した先例があったことも判明しました。
その後、同じ8月に、国の暫定目標値を超えた水源を採水し直して、検査条件を変えてPFASの水質検査を春日井市は行いました。その結果、国の暫定目標値を下回り、春日井市は公表しました。
これは、令和4年8月のPFAS検査で、同じ採水(つまり、採水し直してはいない)で、検査条件を変えて、低い数値を公表したことを明らかにしたものです。
春日井市のホームページにおけるPFASに関する記載も、国の暫定目標値を公表しなかった事実と絡んで、問題があるように感じています。
春日井市のホームページにあるPFASに関する内容に問題があることを指摘しています。公表している事実と比べても、記載に矛盾があるように感じたのです。
問題を分かりやすくまとめたページです。
【レポートの結論】 情報開示請求を行った結果、春日井市はPFAS調査において、国の暫定目標値を超えていた事実を公表していないことがある。
お判りでしょう。春日井市は、PFAS調査において、国の暫定目標値を超えていたにも関わらず、その事実を公表してものがある!ということなのです。 これは、過去、公表した事実があるから、公表しなくても良いものもある、ということではないと思います。 市民が正確な情報を知るのは、当然のことだと思うのです。
春日井市が令和5年8月1日採水した水は、PFASの国の暫定目標値を超えていたことを公表しなかったのは何故?⇒新たな情報公開請求へ。
もう、お分かりですが、春日井市は、令和5年8月1日に採水した水のPFAS検査が国の暫定目標値を超えていたのを公表せず、再度採水し直して、国の暫定目標値を下回った値を公表しました。
では、なぜ、このようなことをしたのでしょうか?
この点は、二つの事実から導き出せることがあります。
- 同月に国の暫定目標値を超えた原水を、再度採水をして、PFASの再検査を(しかも、検査の条件を変えて)行っているという事実
- そしてその再検査の結果、国の暫定目標値を下回って、公表している事実
ここから導き出せるのは、(再び)国の暫定目標値を上回っていることを、明らかにすることを恐れた、春日井市の心理です。
だからこそ、再度採水し直して再検査し、国の暫定目標値より下回った数値を公表したのだと考えるのが、一番すっきりします。
しかし、それを裏付ける根拠がこの時点では存在しません。私は、この根拠を掴むために、新たに情報公開請求を行うことにしました。
新・情報公開請求① PFASの水質検査の「支出負担行為決議書」を請求
行政は、予算を使って行政の行為を行います。そして、その予算を使うときは、必ずその為の手続きを経ることが必要です。
春日井市の場合、地方自治法施行令第173条の3 及び 春日井市会計規則 によってその手続きも定められています。
そして、予算から支出するときは、支出負担行為決議書を作成しなければいけないことが、春日井市会計規則に定められています。
第4章 支出
第1節 支出負担行為
(予算施行計画)
第51条 課長等は、市長が特に指示するものは、支出負担行為決議前に予算施行計画を起案し、決裁を受けなければならない。
(支出負担行為の制限)
第52条 支出負担行為は、第16条から第18条まで及び第20条の規定により配当された歳出予算内でなければすることができない。
(会計管理者への合議)
第53条 1件の金額が30,000,000円以上の経費について支出負担行為をしようとするときは、会計管理者に合議しなければならない。
(平18規則85・令5規則14・一部改正)
(支出負担行為決議書)
第54条 支出負担行為をしようとするときは、次に掲げる事項について調査確認の上、支出負担行為決議書(第39号様式)により決議しなければならない。
(1) 法令及び予算に違反しないこと。
(2) 所属年度、会計別及び歳出科目に誤りがないこと。
(3) 金額の算定に誤りがないこと。
(4) その他予算の執行上適正であること。
2 支出負担行為決議書には、当該支出負担行為の内容を示す書類を添付しなければならない。
3 歳出科目及び経費の内容が同一のもので、2以上の支出負担行為決議書を併せて決議するときは、集合明細書(第40号様式)を添付するものとする。
4 次に掲げる経費の支出負担行為については、第1項の規定にかかわらず、支出負担行為決議書兼支出命令書(第42号様式)により決議することができる。
(1) 報酬
(2) 給料及び職員手当(定額又は定率によるものに限る。)
(3) 共済費
(4) 恩給及び退職年金
(5) 旅費
(6) 交際費
(7) 光熱水費
(8) 電気通信料及び郵便料
(9) 扶助費
(10) 公債費
(11) 公課費
(12) 単価契約が結ばれているもので市長が別に定めるもの
(13) 前各号に掲げるもののほか、支出負担行為の決議に併せて支出の整理を行う経費
春日井市会計規則 (kasugai.lg.jp) から
これによれば、「支出負担行為決議書」を作成するときには、その支出行為の内容を示す書類を添付することになっています。
つまり、PFASの水質検査にまつわる「支出負担行為決議書」を公文書開示請求すれば、添付された書類にとっかかりとなる情報が記載されている可能性が高い! と私は考えたのです。
特に令和5年8月のPFASの再検査は、もともとの予定には無かったはずです。この時の検査の支出行為負担決議書と、本来の通常の検査の支出行為負担決議書を請求すれば、添付された書類から何かとっかかりが生まれるのではないか! と考え、次のような内容で公文書開示請求を春日井市に対して行いました。
2024年4月22日付で春日井市に対して行った、公文書開示請求の内容
●令和5年8月1日に採水した、ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びペルフルオロオクタン酸(PFOA)の水質検査の支出行為決議書の全て。
2024年4月22日付、原田芳裕が春日井市長に送った公文書開示請求のうち、「公文書の名称その他の開示請求に係る公文書を特定するに足りる事項」から
●令和5年8月21日に町屋送水場、町屋第3水源、町屋第6水源で採水した、ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びペルフルオロオクタン酸(PFOA)の水質検査の支出行為決議書の全て。
●令和4年8月16日に採水した、ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びペルフルオロオクタン酸(PFOA)の水質検査において、町屋第3水源のみ、再検査を行っているが、その時の支出行為決議書の全て
※尚、この支出行為決議書には、添付されている資料も全て含む
新・情報公開請求① PFASの水質検査の「支出負担行為決議書」を請求した結果、分かったこと。
この情報公開請求を行った結果、以下のようなことが、分かりました。
PFASの水質検査の「支出負担行為決議書」を請求した結果、分かったこと。
- 令和5年8月のPFASの検査において、国の暫定目標値を超えた値が出た時に、再検査するかどうかの協議を市役所内で行った後、歳出執行管理表にて、見積伺いを出していること。
- 各年度毎に、「水質検査業務委託仕様書」があり、それに基づいてPFASをはじめ、水質検査の業務委託が行われること。
私が、この時の情報公開で一番注目した公文書はこの歳出執行管理表です。
その中でも、私が一番注目したのは、この部分です。
つまり、PFASの再検査をするにあたり、市役所内で協議をしたということを端的に著しています。
国の暫定目標値を超えたことを受けて、何かを協議し、再度検査をしたところ、国の暫定目標値を下回ったから、それを公表した・・・・・。大事なのは「何かを協議した内容」です。なぜ、今まで通り、国の暫定目標値越えを公表しなかったのか? そこが不思議なところです。
そして、各年度ごとに水質検査業務委託仕様書なるものも存在することが分かりました。
ここから、次に更に深く食い込むための、情報開示請求を行いました。
新・情報開示請求② 令和5年8月PFAS再検査のための協議内容、そしてPFAS検査に関する打合せ内容、検査機関が水質業務委託仕様書が求める提出書類に基づいて提出した書類
4月22日付情報開示請求の結果を受け、更に疑問点を解決するために、5月30日付で次の情報開示請求を春日井市に対して行いました。
2024年5月30日付で春日井市に対して行った、公文書開示請求の内容
2024年6月30日付 原田芳裕が春日井市長に送った公文書開示請求のうち、「公文書の名称その他の開示請求に係る公文書を特定するに足りる事項」から
- 令和5年8月21日採水の町屋第3水源や町屋第6水源や町屋送水場におけるペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びペルフルオロオクタン酸(PFOA)の追加調査を依頼するに至った、協議の内容がわかる全ての文書。
⇒令和5年8月15日付【歳出執行管理表(配水管理事務所)】によれば、安藤主査と協議済 というメモ書きも記されており、この追加調査に関して、協議が行われたことは、明白である。よって、この追加依頼に関わる協議に関する全ての文書を求めるものである。安藤主査との協議のみに捉われない。- 令和5年8月21日採水の町屋第3水源や町屋第6水源や町屋送水場におけるペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びペルフルオロオクタン酸(PFOA)の追加調査における、打合せ記録簿の全て
⇒令和5年度水質業務委託仕様書に、「カ 打合せ記録簿 委託内容について確認の打合せを実施し記録簿を提出すること」とあるので、当然、この追加調査における打合せ記録簿も存在していると思われる。- 令和5年5月9日に採水したペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びペルフルオロオクタン酸(PFOA)の水質検査に関わる、打合せ記録簿の全て
⇒令和5年度水質業務委託仕様書に、「カ 打合せ記録簿 委託内容について確認の打合せを実施し記録簿を提出すること」とある。- 令和5年度水質業務委託仕様書により、ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びペルフルオロオクタン酸(PFOA)の水質検査に関して、株式会社東海分析化学研究所が、春日井市に提出した提出書類の全て。但し、上記、2 3と重複するものは除く。
この情報開示請求を行った目的は、①なぜ、令和5年8月だけ、再採水、再検査を行ったのか。②検査条件をどのように決めたのか の2点を知るためです。国の暫定目標値を超えた町屋第3水源と町屋第6水源は、検査条件が変わることが度々あり、他の水源と違う条件で継続して検査していることも分かっています。その経緯が分かるのではないか、と思い、この情報公開を行っています。
今後の予定。
このブログをはじめに公開したころには、まだ、新・情報公開②の公文書をまだ受領していません。(公文書開示決定書は受け取っています。)
しかし、春日井市がPFASに関して、公表していない事実があることは、お伝えしなければいけないと、調査途中ではありますが、私的なHPではありますが、公開することを決断いたしました。
ある程度、情報が固まり次第、公けの手段を使って、情報を広げていく予定です。その方法・手段については、また、その時にお知らせする予定です。
また、PFASに関して、春日井市に関して新たに分かったことがあれば、このHPにて公開していく予定です。
はらだよしひろと、繋がりたい方、ご連絡ください。
私、原田芳裕は、様々な方と繋がりたいと思っています。もし、私と繋がりたいという方は、是非、下のメールフォームから、ご連絡ください。ご相談事でも構いません。お待ちしております。