春日井市の水道水PFAS調査(令和5年度)の結果から見える、大問題点

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春日井市在住です。
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私、はらだよしひろが、個人的に思ったことを綴った日記です。社会問題・政治問題にも首を突っ込みますが、日常で思ったことも、書いていきたいと思います。

令和5年度の春日井市のPFAS調査結果

以下が、春日井市がHPで出している、令和5年度のPFAS調査の結果になります。

PFOSPFOA_r5_11.pdf (kasugai.lg.jp) から(春日井市 令和5年度 PFAS水質検査)
※ 但し、現在は、HPのリニューアルのため、本市の水道水における有機フッ素化合物(PFAS)について|春日井市公式ホームページ (kasugai.lg.jp) で最新調査結果をみることができます。

この調査結果について、春日井市は次のようなコメントをHPで出しています。

春日井市では、令和3年度から有機フッ素化合物(PFAS)のうち、PFOS及びPFOAの水質検査を実施しています。

 これまでの水質検査において、水道水中の有機フッ素化合物は、暫定目標値を超過して検出されたことはありません。

本市の水道水における有機フッ素化合物(PFAS)について|春日井市公式ホームページ (kasugai.lg.jp) から。太字及び黄色マーカは、私自身がつけたものです。

これを見て、私は「んっ?」と疑問に思いました。ここに見事な言葉のまやかしがあるからです。

はじめに出した調査結果からは、町屋水源=水道の水源となっている井戸水からは、50ナノグラム以上の数値が検出されています。

それを、この春日井市のHPは、「水道水中」という言葉でごまかしているのです。

実は、PFASの除去が、従来の水道水の浄化技術では、できないことを厚生労働省もWHOの知見として公にしている。

実は、厚生労働省は、飲料水中の PFOS 及び PFOA というHPに公にしている文書で、水道水への処理に関するPFASの除去について、次のことを明確にしています。※但し、この文書は、冒頭に「「飲料水中の PFOS 及び PFOA」WHO 飲料水水質ガイドライン作成のための背景文書(厚生労働省水道課仮訳)(本背景文書は、2022 年 9 月 29 日に公表されたパブリックレビューバージョンであり、確定された文書ではない。」とあるので、正確には、WHO(世界保健機関)の文書を厚生労働省が仮訳したものであることは、伝えておきます。

原水からの PFOS 及び PFOA を含めた PFAS の除去の効率は、その濃度、水の汚染具合、
利用可能な処理方法、PFAS の種類の特性に依存する。多くの浄水場では、PFAS 除去に最
適化されていないため、除去率は大きな違いが生じる。PFAS は、高い安定性がある物質
であり、化学的、生物学的酸化に耐性がある。結果として、凝集沈殿ろ過、オゾン処理、
消毒処理のような共通して使われている浄水プロセスでは PFAS 除去は効果的でない。

れらのプロセスでは 0-5%の除去と報告されている(Crone et al.2019)。最適注入率、
pH 調整を行った強化凝集で PFOS 及び PFOA を 30%程度除去できるかもしれないが、これ
は原水の水質に依存する(Xiao et al.2013)。

飲料水中の PFOS 及び PFOA から 

つまり、現在の浄水技術では、PFASの除去は0~5%しかできない。最適注入率、pH 調整を行った強化凝集をすれば、30%程度は除去できるかもね~ という話なのです。WHO(世界保健機関の出している見解ですから、これが現在のPFAS除去の世界的見解と言っても良いでしょう。

それを踏まえて、考えたときに、この春日井市の調査結果は、ものすごく疑問が残るのです。

春日井市のPFAS調査の問題点は何か?

今回の調査結果を知って、いろいろと調べた結果、春日井市のPFAS調査の問題点も分かってきました。
特に、町屋浄水場の調査結果は、①井戸水=浄化前の原水 と、②浄水=浄化直後の水道水 の比較ができる面で、とても重要です。

問題点1 原水(井戸水)では、基準値を超えたPFASが検知されたところがある。

例えば、町屋浄水場で出てきた井戸水=原水のPFASの値を見ると、第3水源と、第6水源で、日本の基準50ナノグラム/ℓを超えたり、それに近い基準の数値が何度も検出されています。

そして、今の日本(いや、世界の・・)浄水システムではPFASはほぼ除去できないのは、明らかにされているので、この高いPFAS濃度の井戸水がそのまま、浄水として流れている可能性がかなり高い!と言えます。

問題点2 浄水で基準値超えていないから・・・という理由で、何の対策もとっていないのは明らか?。

浄水では、町屋浄水場では、PFASの検知値は、基準値は超えていません。でも、これは、PFAS濃度の低い第一水源 第二水源、第四水源、第五水源の水とシャッフルしたから、濃度が低くなっているだけで、実質的にPFASの除去などの対策を講じているわけでもないということです。

実際、第3水源、第6水源で、PFASの値が基準を超えているにもかかわらず、そこからの水の供給を止めるなどの対策も講じてはいないと思われます。
今入手できる、資料等からも、おそらく、PFASの基準値超えても、なんら対策はとっていない・・・・というのが推測できます。

実際、それを匂わせる発表が、春日井市のHPにありました。
要は、町屋浄水場の水源から、基準を超えたPFASが検出されたので、その周りの井戸水も調査した結果を公表したのですが、そこに、こんな文言があったのです。

町屋第3水源(鷹来町地内)及び町屋第6水源(大手町地内)の検査結果について、地下水における暫定目標値(暫定指針値)を超過していました。

 市は、周辺の井戸所有者に対する情報提供を実施するとともに、人の健康の保護に関する要監視項目でもあるPFOS及びPFOAについて、存在状況の把握のため周辺井戸の水質調査を行う予定です。

 つきましては、この地域で井戸水をお使いの方は、井戸水の飲用を控え、飲用水には水道水を使用してください。

鷹来町及び大手町地内における地下水汚染について|春日井市公式ホームページ (kasugai.lg.jp) から 太字は私・・・・

要は、水道水を飲め! なのですが、そもそもPFAS濃度高い水源止めました~という発表がなされていない以上、今もこのPFAS汚染された水を、他の水源とシャッフルして濃度を下げただけ水道水を飲め!と言っているのと同じです。※ちなみに、他の自治体では、PFAS濃度が高い水源を止めた自治体も出てきています。

問題点3 調査ごとに、調査地点のバラツキがあるのはなぜ?

調査ごとに、調査地点のバラツキがあるのも、気になります。これでは、本当にPFAS対策に繋がる基礎データーは採れていないと思うのです。

ちなみに、PFASについて、春日井市がどのように調査をしているのかの文書がありましたので、紹介します。

7 水質検査方法
水質検査は基本的に自己検査を原則とし、表4に示す水質基準及び水質検査
方法等に関連した規定に基づき、配水管理事務所で実施します。
ただし、毎日検査項目の一部については、上水道施設運転業務委託業者へ水
質検査を委託することとし、検査等に必要なマニュアルの確認、教育訓練の実
施状況確認及び過年度の検査結果との比較等により、適正に検査が行われて
いることを確認します。
また、農薬類の一部、嫌気性芽胞菌、ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)
及びペルフルオロオクタン酸(PFOA)については、水道法第 20 条第 3 項に定め
る登録検査機関へ水質検査を委託することとし、検査結果の根拠資料(クロマ
トグラム、濃度計算書等)及び実施状況を記した書類の確認、立入調査等の実
施により、適正に検査が行われていることを確認します。

水道水質検査計画 (kasugai.lg.jp) 令和5年度春日井市水道水質検査計画 より

「ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS) 及びペルフルオロオクタン酸(PFOA)について」というのが、PFASのことです。要は、法律に基づいて、登録検査機関へ水質検査を委託して、行っています! ということですね。

これは、春日井市が委託するときに、「今回は、この地点をやってね!」と指示するものなのか、それとも、委託された登録検査機関が任意でするものなのか、によっても違ってきます。

現段階では、PFAS対策に本腰を入れるための調査にはなっていないと言えます。

まとめ:春日井市はPFASに対して、厳密な調査はしていないと十分に推察できる。(個人としても、要調査していきたい)

正直、春日井市はまだ、PFASに対して、充分な調査はしていない! というのが現状だと思います。
充分な調査をしていないのだから、意欲を持って対策をしているとも言い難いと思います。

水道水は、私たちが毎日飲む飲み水でもあります。ですから、現状はPFASが私たちの身体に今でも蓄積され続けている状況と言えるでしょう。

だからと言って、この充分では無い春日井市の対応を待っているわけにはいきません。
情報公開制度などを活用しながら、キチンとした公文書を取り寄せ、分析をし、本当は私たちは、この問題に対してどういう声を挙げていかなければいけないのかを、追及していきたいと思います。

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