「ギュ~💛ッとして~」とハグを僕にせがんだ母。2013年6月15日
母が、すい臓がんステージⅣになりました。(←をクリック)
そして、2023年6月22日に亡くなりました。
母のいのちと向き合うブログを書いています。
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右向きに寝る母
今日も、母の状態は、意識もはっきりしていて、穏やかさが続いています。
とは言っても、ところどころ、「おえっ」と吐き気を催したり、息切れが激しくなったりもしますが、
キチンと酸素供給機を使って、楽な姿勢で酸素を供給もしているおかげで、楽な時間を過ごせています。
ちなみに、母の楽な姿勢とは、お釈迦様が入滅されたときと、同じ、右向きの姿勢です。
涅槃仏は、釈迦が入滅する様子を仏像としてあらわしたものですが、ほとんどが右向きで横たわる姿ですね。
お釈迦さまの入滅時に近い姿勢で母が比較的安らかに日々を送っていることに、私も、安心します。
また、右向きで寝ることには、メリットもあります。
右側を下にして眠る右向きの姿勢の場合、心臓の位置が上になります。更に、肝臓という重い臓器が右側にあることからも、右向きで寝ると心臓にかかる負担を軽くすることができると考えられています。また、胃や腸は右側に消化器の出口があるので、消化器系の働きを良くする効果が期待できます。
寝るときの向き・姿勢は何がいい?仰向き・横向き・うつ伏せそれぞれのメリットを解説! | ネルマガ(nerumaga) – パジャマ屋IZUMM (pajamaya.com) から
黄疸が出て、肝不全の状況でもある(と、春日井市民病院の先生にこの時にはっきり言われた)ので、その負担を軽減するために、母は本能的に、この姿勢を保っていると思います。
実際に、仰向けでも、左向きでも、ものすごく苦しがり、逆に、右向きにすると、すぐに呼吸が落ち着いてきます。
本能的であっても、この姿勢で、落ち着いて母が過ごし続けることができることに、私は安心を覚えているのです。
点滴が・・・落ちない・・・・
今日は、ちょっとしたトラブルが起きました。いつもの点滴・・・・なかなか落ちず、2時間経っても、5分の1ぐらいしか落ちなかったのです。
結局、看護師さんが針を外す予定で戻られたとき、落ちやすくなるような対応をしたのですが、結局、いつもの3分の2ぐらいしか、落ちませんでした。
母は、もともと、点滴の針をさせる場所が少なく、肘のあたりの血管に指すと、ちょっとした姿勢で点滴が落ちにくくなることが往々にしてあります。
仕方がないとはいえ、私も、楽に姿勢を変えさせて、点滴を落ちやすくすることができるようにならないとなあ・・・・と感じました。
「ギュ~💛ッとして~」と母は僕にハグをせがんだ。
いくら穏やかとは言っても、癌は進行してますから、不安になったり、苦しんだりすることもあります。
その中でも、「ここにいていいんだ~」という安心感が、素直な表現であったり、感謝の言葉に繋がっていくことあると思います。
そんなことを思う出来事が、今日はありました。
母も、人間ですから、トイレに行くことさえ、キチンとトイレに行ってやりたいと思うのです。
今までは、それでも車いすに乗せて、何とかトイレに行かせてあげられたのです。
しかし、もう、車いすに移動させることも、トイレで立つこともできなくなっています。
それでも、今日、母はトイレに行きたい!!と言い始めました。
私が「トイレに行くのは苦しいよ! おしっこなら、そのまましても良いよ※おむつをしているので、実際にそのまましても大丈夫なのです。」と言っても、母はトイレに行きたい!と言います。
母の意志を確認して、私は、母を車椅子に乗せてトイレに行きました。
見事に、母の穏やかな時間が崩れました。ベットから車いすに乗せるときも、車いすから便座に写るときも、便座から立ち上がろうとするときも、母はかなりかなりかなり苦しんでいました。
ひとつひとつの動作ができるたびに、私は「よく頑張った! すごいね!」などと母を褒めます。
ようやくトイレから戻り、ベッドに右向けに横たわって落ち着きました。
その時、母が私に言ったのです。「ギュ~ッとして~」と。
私は、よく、母に「ギュ~ッ」と言いながらハグをしていた。
母が膵臓癌と分かる前から、私はよく、母に「ギュ~ッ」と言いながらハグをしていました。ほぼ毎日のようにです。もともとは、母に募る寂しさや孤独感※ここに至る経緯は言うことではないし、長くなるので省略します。を癒すためにやっていたことですが、安心感もつくっていました。
実際に母がベットに横たわるようになっても、私は手を握ったり、頬をさすったりのスキンシップはよくやっています。安心感を与えるならば、肌の感覚で安心感を与えることが一番楽だからです。
そして、肌の安心感を与え続けるからこそ、安心感が欲しい時は、安心感が欲しいと素直に言えるのだと思います。
母が「ギュ~ッとして~」と私に言ったのは、トイレに行くとき味わった苦しさから、少しでも心の温かみを感じたいと思ったのだと思います。
僕は、もちろん、母の気持ちに応えて、「ギュ~ッ」とハグをしました。