春日井市に「サボテン」の部署誕生!! いったい何故?

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春日井市在住です。
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春日井市に、「サボテン」の部署が誕生しました。その記事をご紹介します。

愛知県春日井市役所に「サボテン」担当部署が登場した理由|@DIME アットダイム から

愛知県春日井市役所に「サボテン」担当部署が登場した理由

2023.01.13 

ライフスタイル

愛知県名古屋市の北部に位置する住宅都市・春日井市。昨年、春日井市役所に「サボテン担当」の部署が誕生したらしい。

…なぜ?

東北出身で東京在住で愛知に何の縁もない筆者にとっては意表をつくような、まさかまさかの急展開。春日井市に一体何があったというのか?

早速、春日井市産業部経済振興課「観光・サボテン担当」の加茂さんに連絡をした。するとすぐに回答がきた。

サボテン LOVEの職員がおすすめするサボテンとの暮らし方

ーー「サボテン担当」ってナンですか?

「春日井市は街の特性として『住みやすさ』『暮らしやすさ』といった点が評価される一方、象徴的な地場産品がなく、個性が乏しいとも評されています」

「そんな中、街の個性になり得るものとして注目したのが『サボテン』。全国随一のサボテン栽培の歴史とノウハウ、そして先駆的な食利用の文化は街の強みだと思ったんです!」

ーーな、なるほど(熱意が凄い…)

「全国でサボテンを売りにしている街がほとんど存在せず、またコロナ禍において過酷な環境でも力強く育つというサボテンのイメージは春日井市のシンボルとして掲げるに足る素材であると考えています」

「そこで、サボテンを街のシンボルとして確立させ、市民文化として発展させることを目的に経済振興課観光・サボテン担当が設置されました」

そんな春日井市のシンボルを目指す「サボテン」だが、一般的には砂漠や荒野で育つイメージを抱いている人が多いかもしれない。なのにナゼ愛知県の春日井市で?

「確かに春日井市はサボテン栽培に適した場所であるとは言えません。しかし約70年前、サボテンに魅了された果樹農家が保温性を高める半地下式のガラス温室を作るなど、工夫を重ねた結果、市内での栽培が定着しました」

「特に栽培が盛んとなったのは桃山地区。果樹栽培が盛んな土地でしたが、昭和34年の伊勢湾台風の影響により果樹が壊滅。それを機にサボテン栽培に切り替える農家が増加し広まったんです」

そうだったのか。ここまで聞くとサボテンに熱狂し、担当部署を作ってしまう理由も納得だ。

ーーサボテン担当の活動内容とは?

「一つは庁内サボテンプロジェクトですね。市役所の若手職員を中心に組織横断的にチームを結成。寄せ植え体験、食用サボテンの試食会、クイズラリーを実施する職員手作りのサボテンイベントや、春日井サボテンのロゴマークを活用したグッズ製作などを実施しています」

さらに、若手女性職員が「さぼがーる」として「観る」「食べる」「潤う」などサボテンの魅力を市HP、広報紙やyoutubeで発信している。また、市内では春日井サボテンのPR役を担うサボテンキャラクターが子どもたちの間で人気だ。

若手女性職員による「さぼがーる」

サボテンキャラクターも人気!

サボテンおすすめ品種&美味サボテン料理

サボテン推しの熱い想いがひしひしと伝わってくるが、筆者を含め多くの人はサボテン初心者なはず。我々にサボテンとの素敵な付き合い方を教えてほしい。まず始めにどこからサボテンと触れ合えばいいのだろうか?

「春日井のサボテンは多種多様。農園やイベントに足を運ぶと、ひとつひとつ違う形やトゲに魅了されます。おすすめの楽しみ方はイベントなどで行なわれているサボテンの寄せ植え体験です」

「お気に入りのサボテンを2、3個選び、鉢に植える作業を実際に体験。自らの手で作り、完成した寄せ植えは可愛らしく自然と愛着が湧くこと間違いなしです!」

ーーおすすめのサボテンの種類は?

「緋牡丹ですね。頂部の鮮やかな緋色が特徴で、他にもピンクや黄色などもあり見た目の華やかさに魅了されます」

「緋牡丹は春日井サボテンの始まりと言われ、品質の良さや緋色の鮮やかさが評価されて海外に輸出されたことも。『春日井のサボテンが世界を席巻した』と言われていたんです」

ーーさらに、サボテン料理も美味しいとか?

「サボテンは爽やかな酸味とオクラのような粘り、シャキシャキコリコリした食感が特徴。春日井市内約25店舗でサボテングルメを楽しむことができます」

「おすすめはネギマのネギをサボテンに変えた『サボマ』、サボテンを練りこんだ麺にすりおろしたサボテンをトッピングした『サボテンラーメン』。また、新鮮なサボテンをスライスし醤油と鰹節で和えて食べるのも美味です」

サボテン卵かけご飯も美味しいらしい

一年に一度の花を愛でる”サボテンのある暮らし“

春日井市役所サボテン担当の加茂さんはサボテンにハマってから日常に変化があったという。

「暮らしにサボテンを取り入れてから日々の楽しみが増えました。観賞用ではサボテンを自宅で育て、1年に1度花が咲く日を楽しみにしたり、食用では美味しくできる調理方法を考えながらサボテン料理に挑戦しています」

「人生にサボテンを取り入れたことで、さらに暮らしにハリが生まれ、新たな楽しみが増えました」

ーーサボテンの魅力は?

「一つのサボテンという素材で『見る』『食べる』『潤う』と、多くの可能性、魅力を秘めているところです。『見る』では小さく可愛らしいものから大きく勇ましいものまで、形や色が個性的な実生のサボテンや見たことない綺麗な花を咲かせるサボテンなど、さまざまな姿を魅せてくれます」

「『食べる』では他の野菜では例えられないような新しい味覚と食感で色々な調味料や食材と組み合わせてみることで新しい発見や驚きを与えてくれます。それにとどまらず、美容として活用することで潤いを与えるなどの魅力もあります。まだまだサボテンについて知らないこともあるため、知れば知るほど面白いのがサボテンなんです」

最後に、春日井市が誇るサボテン担当としての展望を聞いた。

「春日井といえばサボテン、サボテンといえば春日井という認知が県内・県外へと広がり、この町の人々が『サボテンのまち、春日井市から来ました!』と胸を張って言えるような町の姿を目指したいですね」

取材協力
春日井市役所
https://www.city.kasugai.lg.jp

文/太田ポーシャ