子どもたちの「考える力」を重視するスポーツクラブ。春日井市にあります。
子どもたちの「考える力」を重視するスポーツクラブが、春日井市内で活動しています。それを紹介した記事が上がっていましたので、ここでも紹介します。
<わが街ぶらり探訪> 春日井・NPO法人「プライズアウト」:中日新聞Web (chunichi.co.jp)
<わが街ぶらり探訪> 春日井・NPO法人「プライズアウト」
2023年2月22日 05時05分 (2月22日 11時44分更新)
速く走るための体の使い方などを学ぶ子どもたち=春日井市朝宮町の朝宮公園陸上競技場で
元教員が指導し、子どもたちの「考える力」を重視するスポーツクラブが、春日井市内で活動している。運営するNPO法人の代表理事、樋口明日美さん(38)は陸上経験者で、自身もコーチにつかず自問自答しながら成績を残した。スポーツは結果と切り離せないが、子どもたちにはそこに至る過程の大切さを伝えたいという。(長谷川和華)
自身も陸上経験者の代表理事の樋口さん
「いまの良かった」「間違えてもいいよ」。二月上旬、春日井市の朝宮公園陸上競技場で樋口さんの声が響いた。この日は小学生四人がハードルを練習。リズム良く跳べずに途中で立ち止まる子どもも、樋口さんが「最後まで」と励ますと、顔を上げて走り切った。
樋口さんは高校教員だった二〇一八年、学校の中だけで過ごす息苦しさから、「何かやってみたい」と同僚二人とNPO法人「プライズアウト」を設立。新型コロナ禍で休眠状態だったが、退職した樋口さんが代表理事になり、昨年四月から本格的に活動。現在は同競技場や市内の学校を会場に、主に陸上とハンドボールを教えている。
「プライズ」には「努力して手に入れる価値があるもの」という意味がある。法人名は「人に認められるものを引き出したい」との思いを込めたという。
樋口さんは中学校から陸上を始めた。種目は走り高跳びで、全日本の学生選手権で優勝するなど数々の記録を残してきた。しかし専属コーチはおらず、「この人の言うことを聞けば強くなる、という環境ではなかった」と振り返る。
子どもたちを教えていると、言われた通りにすれば足を速くしてもらえると思っているように感じることもある。自身も現役時代、コーチがついている選手がうらやましかった。自分が時間をかけて見つけ出した答えを、周りはコーチから教えてもらっていた。
それでも試行錯誤して自分に合った練習方法を考え、成績につなげた。原動力は「うまくなりたい」「速くなりたい」という気持ちだったという。「そうした気持ちが人を成長させる。やる気が出れば、自分から考え、実践する力も生まれる」
子どもたちのやる気を引き出し、自ら考える力につなげる。そのために普段の指導では「走りたいと思う気持ちを大事にできるように褒めている」と樋口さん。会員の小学四年、小西健翔君(10)は「褒めてくれるから達成感がある。自分の良いところを教えてくれる」と話す。
活動を始めてまだ一年足らずだが、樋口さんは「兆し」も感じている。約四十人の陸上の会員には運動が苦手な子どもも多く、入会した当初は「何時に終わるの」「あとどれぐらい?」とつまらなそうな様子だったという。しかし最近では、上達を実感して終了時間を忘れるほど没頭する子どもも出てきた。
メインの活動のスポーツ以外にも、昨年の夏休みには恐竜の進化をテーマに「自分ならどう進化させるか」を考えるワークショップを開いた。「正解を求めにいくのではなく、そのときのベターは何かと考えてほしい。間違うこともあるかもしれないが、間違いに気づき、修正できる力も身に付けてもらえれば」。樋口さんはそう願っている。
はらだ所見(この記事を読んで)
「自分で考え、行動し、実践する」 これは、人間として生きていくために、必要なエネルギーだと私は思っています。やり続けることで、上達し、進化し、前へつなげることができます。
自分で考えて、とにかくやる! このことが大事です。
しかし、今の行政(教育環境)は、そういう想定で成り立っているでしょうか? 知識重視の教育は、「やる、やり続ける!」から生まれる喜びと動機を奪います。終了する時間を忘れるとは、やりたい!という動機が生まれること。そこを大事にしたいと思います。