牛乳石鹸 青箱は洗顔に使える?――仕事で顔についた塗料を洗って気づいた、昔ながらの石けんの実力
家の中を探していたら、牛のマークでおなじみの牛乳石鹸の青箱が出てきました。


私は仕事柄、一日が終わると顔に細かな塗料が付いていることがあります。これまでは普通の洗顔料を使っていました。
ところが、試しに牛乳石鹸の青箱で軽く洗ってみると、これが意外によく落ちます。
むしろ、
「普通の洗顔料より、きれいに取れるんじゃないか」
と感じるほどでした。
そこで気になったのが、牛乳石鹸 青箱を洗顔に使うことは、そもそも適しているのかということです。
調べてみると、これは単なる昔ながらの石けんではありませんでした。
洗浄の仕組み、赤箱との違い、1949年に青箱が生まれた理由、さらには「なぜ牛乳なのか」という明治時代までさかのぼる歴史まで見ていくと、牛乳石鹸という商品が非常に面白く見えてきます。
目次
- 1 牛乳石鹸 青箱とは、どんな石けんなのか
- 2 牛乳石鹸 青箱を洗顔に使うと、なぜさっぱりするのか
- 3 顔についた塗料と皮脂を一緒に落としているのではないか
- 4 「洗浄力が強い」なら、洗顔には向かないのか
- 5 牛乳石鹸 青箱で洗顔するなら「こする」より「泡でなじませる」
- 6 判断基準は「洗った後の自分の肌」
- 7 製造業で、塗料で、顔が汚れる人対策としての、牛乳石鹸 青箱の洗顔の仕方の基本
- 8 牛乳石鹸 青箱と赤箱は何が違うのか
- 9 それでも仕事後の洗顔なら青箱が面白い
- 10 そもそも、なぜ「牛乳石鹸」なのか
- 11 「牛乳石鹸」は明治時代から存在した
- 12 牛乳は明治時代の「新しいもの」だった
- 13 青箱は1949年に誕生した
- 14 「さっぱり青箱」という個性が残った
- 15 家にあった古い青箱から始まった疑問
- 16 牛乳石鹸 青箱の強みは「必要十分」にあるのではないか
- 17 まとめ――牛乳石鹸 青箱を洗顔に使って分かった「洗う」という基本
- 18 はらだよしひろと、繋がりたい方、ご連絡ください。
牛乳石鹸 青箱とは、どんな石けんなのか

現在の牛乳石鹸青箱について、メーカーは、
「さっぱり洗えて、お肌にやさしい釜だき石けん」
と説明しています。
特徴は、
- 釜だき製法
- ミルク成分である乳脂を配合
- さっぱりとした洗い上がり
- ジャスミン調の香り
です。
現在の成分は、
石ケン素地、香料、乳脂(牛乳)、水、ステアリン酸、酸化チタン、EDTA-4Na
となっています。
つまり、「牛乳を固めて石けんにしたもの」ではありません。
中心となるのは、あくまで石ケン素地です。
メーカーによれば、この石ケン素地は牛脂、やし油、水、食塩、苛性ソーダから釜だき法で作られています。そこへ乳脂などを加えて商品にしています。
牛乳石鹸 青箱を洗顔に使うと、なぜさっぱりするのか

ここが、実際に使ってみて最も興味を持ったところです。
一般的な洗顔料の中には、肌の皮脂を取りすぎないよう、洗浄後のしっとり感を重視した製品があります。
一方、牛乳石鹸の青箱は、脂肪酸ナトリウムを主成分とする昔ながらの固形石けんです。
水に溶かしたときは弱アルカリ性になります。牛乳石鹸も公式FAQで、赤箱・青箱とも弱アルカリ性だと説明しています。
だからといって、「アルカリ性だから何でも強力に落とす」という単純な話ではありません。
重要なのは、石けんが皮脂や油分を水と一緒に流せる状態にすることです。
顔についた塗料と皮脂を一緒に落としているのではないか

仕事中に顔につく細かな塗料は、塗料だけが皮膚の上に載っているとは限りません。
顔には、
汗、
皮脂、
ほこり、
粉じん、
細かな塗料粒子
などが混ざっています。
そこで石けんを使うと、皮脂や油分が洗い流されます。
その皮脂の中に塗料粒子や粉じんが入り込んでいれば、皮脂を落とすときに汚れも一緒に取れていくと考えることができます。
これは、私が青箱を使って、
洗顔料よりも、塗料がいい感じに取れる
と感じたこととも整合します。
必ずしも青箱が「塗料を溶かしている」のではありません。
むしろ、
皮脂+汗+細かな塗料という仕事汚れ全体を、一度に洗い流しやすい
というところに青箱の良さがあるのだと思います。
「洗浄力が強い」なら、洗顔には向かないのか

ここは少し考え方を変える必要があります。
確かに、青箱はしっとり系の洗顔料と比較すると、洗い上がりがさっぱりしています。
だから、
「顔には絶対使わない方がいい」
とはなりません。
問題なのは、石けんそのものだけではなく、どう洗うかです。
例えば、洗浄力の穏やかな洗顔料でも、塗料を落とそうとして何度も洗えば、皮膚への負担は大きくなります。
反対に青箱をしっかり泡立て、
短時間で一度だけ洗う
のであれば、その方が合理的な場合もあります。
牛乳石鹸 青箱で洗顔するなら「こする」より「泡でなじませる」

私自身、青箱を使ったときには、軽くこする程度でかなりきれいになりました。
ただ、毎日使うなら、さらに摩擦を少なくした方がよいでしょう。
青箱を手の中で十分泡立てます。
その泡を顔に広げ、指先で軽く動かします。
塗料が付きやすいところだけ少し丁寧に洗います。
そして、ぬるま湯で十分に流します。
つまり、
ゴシゴシ落とすのではなく、石けんに仕事をしてもらう
という洗い方です。
長時間洗う必要もありません。
一度で落ちるなら、それ以上洗わない方がよいでしょう。
判断基準は「洗った後の自分の肌」

肌質にはかなり個人差があります。
青箱を使った後、
つっぱらない、
ヒリヒリしない、
赤くならない、
翌日に粉を吹かない、
かゆくならない、
のであれば、その人には比較的合っている可能性があります。
反対に、毎日使っているうちに頬が乾燥したり、目や鼻の周囲がヒリヒリしたりするなら、洗浄が強すぎる可能性があります。
その場合は使用回数を減らすか、より穏やかな洗顔料に替える方法があります。
つまり、
「青箱は洗顔に良いか悪いか」ではなく、自分の汚れ方と肌の状態に合っているか
で考えた方がよいと思います。
製造業で、塗料で、顔が汚れる人対策としての、牛乳石鹸 青箱の洗顔の仕方の基本
私自身、工場で働くなかで、暑さや汗など身体への負担を経験してきました。以前には、実際に熱中症気味になった経験から、工場で働く際の「冷やすこと」についても考えています。工場勤務での暑さ・熱中症対策についてはこちらの記事でも詳しく書いています。

製造業などで塗料を扱っていると、仕事が終わるころには顔に汗や皮脂、粉じん、細かな塗料粒子が混ざって付着していることがあります。
こうした仕事汚れに対して牛乳石鹸 青箱を使う場合、重要なのは、強くこすったり何度も洗ったりすることではありません。
仕事が終わった後に一回だけ、しっかり泡立てた青箱で短時間洗い、十分にすすぐ。
これを基本に考えるのがよいと思います。
仕事帰りに一回だけ牛乳石鹸 青箱で洗顔する

今回のような使い方なら、私はかなり合理的だと思います。
例えば朝は、ぬるま湯だけ。
そして仕事が終わった後、
牛乳石鹸 青箱で一回だけ洗顔する。
これなら、一日に何度も皮脂を落とすことを避けられます。
仕事で付着した汗、皮脂、粉じん、塗料を、その日の最後にまとめて落とす。
青箱の「さっぱり」という性格を、必要な場面だけで利用するわけです。
ただし、汚れがひどくて、一日に何回も落とす必要がある場合は、どうすれば良いか
製造業の現場では、仕事の途中でも顔に塗料や粉じんが付着し、そのまま放置できないことがあります。そうなると、「仕事帰りに一回だけ洗う」という方法では足りません。

その場合も、牛乳石鹸 青箱を使うこと自体は可能です。ただし、一日に何回も使うのであれば、重要なのは「毎回しっかり洗う」のではなく、一回ごとの洗浄をできるだけ短く、弱くすることです。
一日に何度も洗うなら、部分洗いと短時間洗浄を基本にする
例えば、顔の一部だけ汚れたのであれば、顔全体を洗う必要はありません。まずぬるま湯で流し、それでも残る部分にだけ、よく泡立てた青箱の泡をなじませます。数十秒もこすり続けるのではなく、汚れが落ちたところで洗浄を終えます。
つまり、
汚れたところだけ洗う。
短時間で終える。
ゴシゴシこすらない。
何度も洗い直さない。
という使い方です。
一日に二回、三回と洗う必要がある日には、最後の仕事帰りの洗顔だけを通常どおり行い、途中の洗浄は部分洗いを中心にする方が、皮脂を取りすぎにくくなります。
洗う回数が増えたら、保湿と肌の変化を確認する
また、洗顔回数が増えるほど、洗った後の保湿も重要になります。青箱で洗った後に頬や目の周囲がつっぱるようなら、顔を拭いた後、乳液やクリームなどを薄く塗っておくとよいでしょう。
特に確認したいのは、
つっぱり、ヒリヒリ、赤み、かゆみ、皮むけ
が出ていないかです。
これらが出てくるようなら、「青箱が悪い」というより、洗う回数と皮脂を落とす量が肌の回復を上回っている可能性があります。その場合は、青箱を使う回数そのものを減らしたり、途中はぬるま湯だけにしたりする調整が必要です。
そして、一日に何度も塗料を顔から落とさなければならないほど付着するのであれば、洗顔方法だけでなく、そもそも顔に付着させない対策も重要になります。
フェイスシールド、保護メガネ、帽子、マスクなどによって付着量そのものを減らせれば、洗顔回数も減らせます。
また、使用している塗料によっては石けん洗浄だけでは適切でない場合があります。特に2液型ウレタンやエポキシ、強い有機溶剤を含む塗料などを扱っている場合には、職場のSDSにある「皮膚に付着した場合」の処置を優先すべきです。
ですから、牛乳石鹸 青箱を一日に複数回使う場合の基本は、
「一回ごとの洗浄力を弱める」のではなく、「洗う範囲・時間・摩擦を最小限にする」
ことです。
青箱の「さっぱり落とせる」という長所を生かしながら、必要なところだけ、必要なときだけ使う。製造業で毎日顔が汚れる人には、この使い方が現実的だと思います。
ただし、青箱は「塗料専用洗浄剤」ではない

ここは明確に区別しておく必要があります。
牛乳石鹸青箱は化粧石けんです。
工業用塗料を落とすために開発された製品ではありません。
したがって、使用している塗料によって対応は変わります。
水性塗料や細かな顔料が皮脂と混じって付着している場合には、石けん洗浄がうまく働く可能性があります。
しかし、
2液型ウレタン、
エポキシ樹脂、
強い溶剤を含む塗料、
などでは話が違います。
職場で使っている塗料の**SDS(安全データシート)**にある「皮膚に付着した場合」の処置を確認することが基本です。
顔をシンナーで拭くのは避けたい

塗料が落ちにくいからといって、
シンナー、
ラッカー薄め液、
パーツクリーナーなど
を顔に使用するのは避けるべきです。
確かに塗料はよく落ちるでしょう。
しかし同時に、皮膚を守っている脂質まで強く奪います。
さらに溶剤そのものによる皮膚刺激も問題になります。
だからこそ、普通の石けんで短時間に落とせるのであれば、その方が日常の洗浄方法として扱いやすいのです。
牛乳石鹸 青箱と赤箱は何が違うのか
ここで気になるのが赤箱です。

赤箱と青箱は、単にパッケージの色が違うだけではありません。
現在の商品では、おおむね次のように性格が分かれています。
| 青箱 | 赤箱 | |
|---|---|---|
| 洗い上がり | さっぱり | しっとり |
| ミルク成分 | 乳脂 | 乳脂 |
| スクワラン | なし | 配合 |
| 泡 | ソフト | クリーミー |
| 香り | ジャスミン調 | ローズ調 |
| 向きやすい用途 | 汗・皮脂をさっぱり洗う | 乾燥を抑えながら洗う |
赤箱には、乳脂に加えてスクワランが配合されています。
だから冬になって青箱でつっぱりを感じるようなら、赤箱を試してみるという選択肢もあります。
それでも仕事後の洗顔なら青箱が面白い

今回の用途では、青箱の方が興味深いと思います。
なぜなら求めているのが、
「保湿を最優先した洗顔」
ではなく、
「一日の仕事で付着したものを、一回できれいに落とすこと」
だからです。
これはまさに青箱が昔から持っている「さっぱり」という性格に合います。
青箱で一回洗って終わる。
必要なら、その後に乳液やクリームで保湿する。
かなりシンプルです。
そもそも、なぜ「牛乳石鹸」なのか

ここから話が歴史につながります。
「牛乳石鹸」というからには、
牛乳から作っているのだろうか。
私も素朴にそう思いました。
ところが歴史を調べると、現在の牛乳石鹸という会社よりも、「牛乳石鹸」という商品名の方が古いのです。
「牛乳石鹸」は明治時代から存在した

ライオンの企業資料によると、1894年(明治27年)にはすでに「牛乳石鹸」という商品が存在していました。
寺沢孝吉が発明し、近孝堂が製造、小林富次郎商店が発売していた商品です。
当時の広告には、本当に牛乳を利用した石けんだったことを示す記述が残されています。
その商標は後に大阪の佐藤貞次商店へ移りました。
そして1928年、現在の牛乳石鹸共進社の前身である共進舎石鹸製造所が、その商標を譲り受けます。
そこから現在につながる「牛乳石鹸」が始まりました。
牛乳は明治時代の「新しいもの」だった

これを明治時代という背景の中で考えると面白くなります。
当時の牛乳は、現在のような普通の食品ではありません。
西洋から入ってきた、
滋養、
健康、
近代的生活、
を連想させる新しい食品でした。
そうした時代に、
「牛乳を使った石けん」
という名称は、商品の価値を伝える強い言葉だったのでしょう。
そして130年以上たった現在でも青箱には**乳脂(牛乳)**が配合されています。
商品名だけが残ったわけではないのです。
青箱は1949年に誕生した

では、赤箱と青箱は最初からあったのでしょうか。
違います。
現在につながる初代赤箱は1928年に発売されました。
青箱が登場するのは、その21年後の**1949年(昭和24年)**です。
牛乳石鹸は戦争で今福工場を失いましたが、1946年に生産を再開します。
そして1949年、
赤箱に加えて青箱と白箱を発売し、牛乳石鹸の大量生産を開始しました。
同時に全国展開を本格化させています。
メーカー自身も、青箱について「ブランド育成・全国展開を目指して発売した」と説明しています。
つまり青箱は、
戦後の牛乳石鹸が全国ブランドへ成長していく時代に生まれた石けん
だったのです。
「さっぱり青箱」という個性が残った

現在では赤箱と青箱の違いが非常に分かりやすく整理されています。
赤箱は「しっとり」。
青箱は「さっぱり」。
2015年には赤箱のパッケージにも「しっとり」という特徴が入り、青箱との差がさらに分かりやすくなりました。
しかし青箱の基本的な性格は、それ以前からありました。
牛乳石鹸の資料でも、青箱は以前から、
ソフトな泡立ち、さっぱりした洗い上がり
の商品として説明されています。
家にあった古い青箱から始まった疑問

今回使った青箱は、家に長く置いてあったものでした。
箱を見ると「バスサイズ135g」とあります。
現在のバスサイズは130gです。
さらに箱のデザインから見ると、私が最初に思ったほど古いものではなく、2010年代の商品と考えられます。
その石けんを何気なく使ってみたところ、
仕事で顔についた細かな塗料が、普通の洗顔料より気持ちよく落ちた。
そこから、
「青箱って、そもそもどういう石けんなのだろう」
という疑問が始まりました。
調べていくと、単なる懐かしい日用品ではありませんでした。
牛乳石鹸 青箱の強みは「必要十分」にあるのではないか

現在のスキンケア用品には、非常に多くの成分があります。
保湿成分、美容成分、植物エキスなどを配合した商品もあります。
それに比べると、牛乳石鹸青箱は非常に昔ながらです。
しかし仕事を終えて、
汗を流したい。
皮脂を落としたい。
細かな汚れを落としたい。
そして一回ですっきりしたい。
という場面では、その単純さが強みになります。
「必要なものを、必要なだけ落とす」
という役割が分かりやすいからです。
もちろん乾燥肌や敏感肌の人には強すぎることがあります。
香料も配合されています。
全員に適した洗顔料だと言うつもりもありません。
それでも、自分の肌で実際に使い、
一度できれいになる。
ヒリヒリしない。
赤くならない。
翌日も荒れない。
のであれば、自分にとってはかなり使いやすい洗浄方法なのだと思います。
まとめ――牛乳石鹸 青箱を洗顔に使って分かった「洗う」という基本

牛乳石鹸青箱を使って、改めて感じたことがあります。
洗顔というと、どうしても、
「どんな美容成分が入っているのか」
に目が向きます。
しかし、そもそもの目的は汚れを落とすことです。
仕事で汗をかき、皮脂が出て、そこに細かな塗料や粉じんが付着する。
その汚れを、石けんの泡で浮かせ、一度で洗い流す。
牛乳石鹸青箱は、その基本的な仕事を非常に分かりやすくしてくれます。
1894年にはすでに存在した「牛乳石鹸」という名前。
1928年に始まった現在につながる赤箱。
そして戦後の全国展開とともに1949年に誕生した青箱。
そこから70年以上たっても、
「さっぱり洗う」
という役割は残っています。
私にとって牛乳石鹸青箱は、単なる昔ながらの固形石けんではありませんでした。
仕事を終えて顔を洗ったとき、
「ちゃんと汚れが落ちるというのは、気持ちがいい」
という、洗うことの原点を思い出させてくれる石けんだったのです。
はらだよしひろと、繋がりたい方、ご連絡ください。
私、原田芳裕は、様々な方と繋がりたいと思っています。もし、私と繋がりたいという方は、是非、下のメールフォームから、ご連絡ください。ご相談事でも構いません。お待ちしております。





