春日井市はPFASの水質調査で、国の暫定基準値を超えた結果を、公表していない事実を発見。【情報開示請求を通して】
私、はらだよしひろが、個人的に思ったことを綴った日記です。社会問題・政治問題にも首を突っ込みますが、日常で思ったことも、書いていきたいと思います。
春日井のPFAS問題について、私はこれまで春日井市に対する公文書開示請求を繰り返しながら調査してきました。
そして、その過程で一つの重要な事実が明らかになりました。
令和5年(2023年)8月1日に行われたPFOS・PFOA検査で、町屋第3水源から60ng/L、町屋第6水源から56ng/Lという、当時の国の暫定目標値50ng/Lを超える結果が出ていたにもかかわらず、春日井市はこの検査結果をホームページで公表していなかったのです。
その後、8月21日に改めて採水した結果は、町屋第3水源32ng/L、町屋第6水源47ng/Lでした。そして、春日井市が公表したのは、こちらの検査結果でした。
この事実は、私が行った公文書開示請求によって明らかになりました。

元の記事を公開した2024年からさらに調査を続けてきました。そして、2026年現在、春日井のPFAS問題を考えるうえで、私はこの「公表されなかった検査結果」が非常に重要だと考えています。
目次
春日井 PFAS問題で、まず区別しておきたい「水道水」と「水源」
最初に、非常に重要なことを明記しておきます。
現在、春日井市から家庭に供給されている水道水について、PFOS・PFOAが国の水質基準値50ng/Lを超えているわけではありません。
2026年5月に春日井市が実施した検査では、市内16配水区すべての末端給水栓でPFOS・PFOAの合計値が5ng/L未満でした。町屋水源の井戸水を処理した町屋送水場でも15ng/L、さらに県営水道の水と混合した桃山配水場では5ng/L未満となっています。
したがって、「春日井市の水道水が現在危険な状態にある」と主張することは適切ではありません。
しかし、それと水源や周辺地下水にPFASの問題が存在していることは別問題です。
ここを混同してはいけないと思います。
2023年8月1日、町屋第3・第6水源で50ng/Lを超えていた
私が公文書開示請求によって確認した問題は、令和5年8月の検査です。
令和5年8月1日の採水では、
- 町屋第3水源 60ng/L
- 町屋第6水源 56ng/L
という結果が出ていました。
いずれも当時、PFOS・PFOAについて国が設定していた50ng/Lという暫定目標値を超えています。
ところが、この結果は春日井市のホームページでは公表されませんでした。
その後、春日井市は8月21日に再び採水を行いました。
その結果は、
- 町屋第3水源 32ng/L
- 町屋第6水源 47ng/L
でした。
そして春日井市がホームページで公表したのは、この8月21日の結果でした。私が最初にこの記事を書いたのも、この違いを公文書から発見したことがきっかけです。

私が問題にしているのは、再検査を行ったことそのものではありません。
水源の状態を確認するため、異なる運転条件で再検査することには意味があります。
問題は、8月1日の結果を公表せず、8月21日の結果だけを公表したことです。
「条件が違った」のなら、両方を公表すればよかった
春日井市側には、8月1日の検査時には通常とは異なる取水条件があったという説明があります。それは、この件に関して住民監査請求を行い、それに対する監査結果として公表されています。
しかし、私はむしろ、それならば、
「8月1日はこの条件で60ng/L・56ng/Lでした。その後、通常の運転条件に戻して8月21日に再検査したところ32ng/L・47ng/Lでした」
と、二つの結果を併記して説明すればよかったと考えています。
そうすれば、市民も数字が変化した理由を理解できます。
行政が持つ水質情報、とりわけ健康や生活に関わる情報について大切なのは、「行政にとって都合のよい数字を示すこと」ではなく、存在するデータと、そのデータが得られた条件を正確に説明することではないでしょうか。
春日井のPFAS問題は2026年現在も終わっていない
この問題を過去の話として終わらせることができない理由があります。
2026年度の春日井市の検査を見ると、町屋第3水源は23ng/Lですが、町屋第6水源は48ng/Lでした。水質基準値50ng/Lを下回っているとはいえ、わずか2ng/L下です。
さらに重要なのが周辺地下水です。
春日井市が2026年5月20日に実施した地下水調査では、町屋第3水源周辺に位置する鷹来町の調査地点で130ng/Lが検出されました。
同地点は2025年度には69ng/Lでした。つまり、69ng/Lから130ng/Lへ上昇し、地下水の指針値50ng/Lの2.6倍になっています。
一方、市内10河川1用水15地点を対象にした2026年度の河川調査では、すべての地点がPFOS・PFOAの指針値に適合しています。
ここから見える現在の春日井 PFAS問題は、
「水道水は良好。しかし、水源と周辺地下水については、引き続き注意深く監視する必要がある」
という状態だと私は考えています。
2026年4月からPFOS・PFOAは水道水の「水質基準」に
PFASを取り巻く制度も変わりました。
PFOS・PFOAは、2026年4月から水道法上の水質基準項目となりました。PFOSとPFOAの合計で50ng/L以下という基準が適用されています。
春日井市もこれを受けて、すべての配水区の末端給水栓で検査を実施しています。
また、地下水や河川についても、PFOS・PFOA合計50ng/Lという値は、2025年6月に「暫定指針値」から正式な「指針値」へ変更されています。
つまり、私が春日井のPFASを調べ始めた頃と比べても、PFOS・PFOAをめぐる行政上の位置付けは明らかに重くなっています。
なぜ私は公文書開示請求を続けたのか
行政のホームページだけを見ていれば、そこに掲載された数字しか分かりません。
しかし、公文書開示請求を行えば、
いつ採水したのか。
どのような検査結果が出たのか。
誰に報告されたのか。
なぜ再検査を行ったのか。
どの契約に基づいて検査したのか。
そうした「数字の向こう側」にある行政の判断過程を追うことができます。
今回、8月1日の町屋第3水源60ng/L、町屋第6水源56ng/Lという数字を知ることができたのも、公文書開示請求を行ったからでした。
行政を批判するためだけに情報公開制度があるのではありません。
行政が持っている情報を市民自身が確認し、その判断が妥当だったのかを検証する。
私は、それこそが情報公開制度の重要な役割だと思っています。
春日井市に求めたいのは「数字を全部見せて説明すること」
私は、春日井市のPFAS対策そのものを全面的に否定しているわけではありません。
現在の水道水が水質基準値以下に維持されていることは重要ですし、春日井市は2022年度から周辺井戸のPFOS・PFOA調査を継続しています。
だからこそ、次に必要なのは透明性だと思います。
高い数字も低い数字も公表する。
条件が違うなら、その条件を説明する。
数値が大きく変化したら、その理由を調べる。
そして、町屋第6水源や鷹来町周辺地下水のPFASについて、今後も継続して監視する。
PFASは目に見えません。臭いも味もありません。
だから私たちは、検査によって得られた「数字」から、その動きを追うしかありません。
春日井 PFAS問題で問われているのは、水道水の安全性だけではありません。市民に対して、水源や地下水で何が起きているのかを、行政がどこまで正確に、継続的に伝えることができるのか。
2023年8月1日に公表されなかった60ng/L、56ng/Lという二つの数字は、そのことを今も問い続けていると、私は考えています。
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